余所者-よそもの-【 2 】
「私が殺した」
「なに、言って……」
なに、言ってるの?
「紫藤に」
「………」
「女ができたって。言った」
「………」
「お前の写真……見せた」
「………」
「諦めてほしかった」
「………」
「紫藤のことなんか、忘れて」
「………」
「そうやって、元気だった頃のねぇさんに……」
――『シドを、よろしくお願いします』
彼女の声が耳の内側で響いた気がした。
「でも、違った。間違っ……た」
アオイが顔を上げる。
その顔は、涙でぐちゃぐちゃだった。
「紫藤は、ねぇさんにとっての全てだった……っ!!」
「………」
「私がっ私がっ……!ねぇさんを諦めさせた……っ!!」
アオイは、私の胸を両手で叩いた。
――ドン、ドン、と強く叩かれるのに、痛みは感じなかった。
「ねぇさんから……生きる意味をとりあげたっ!!」
「………」
私という存在、そのものが。
カエデを死なせたのだと。
そう、責められている気がした。