余所者-よそもの-【 2 】
40話:崩れた日常
「はぁぁぁ……ビビったぁぁぁ」
AnBarを出て数メートル程歩いたところで、野間は心臓のあたりを手で抑えながら大げさにしゃがみ込んだ。
「なんなんすか?あの人。すごくいい目をしてたなぁ。瑞生(ミズオ)さん?でしたっけ」
「………」
「久しぶりにゾクゾクした……どおりで紫藤さんが目を付けるわけだ」
「………」
「もしも。もしもっすよ?紫藤さんと瑞生さんがやり合うことになったら、それはどんな結果になるんだろう。あの人、紫藤さんにどこまで張れるっすかね?」
「………」
「ねえ?カナコさん」
まるでスポーツ観戦を終えた後のように、一人でぺちゃくちゃと喋る野間。
私は何を言っているのかわからなかった。
大切な居場所を奪われた。
きっともう、みんな以前のように接してなんかくれない。
突然、世界からたった一人置いてけぼりにされたような。そんな孤独感でいっぱいだった。