余所者-よそもの-【 2 】
41話:追放
――翌日。
夕方の出勤時間。
更衣室でバンと顔を合わせることになった。
「クッセ」
私を見るなり鼻をあからさまにつまみ、嫌悪感をむき出しにするバン。
昨日、私の部屋のベッドの上にゴミを撒き散らしたのは間違いなくこの男。
「何の用だよ、ゴミ女」
「今日シフト入ってるし……」
「よくも俺の前にツラ出せたな?」
バンは激怒していた。
露骨に怒りの感情をぎちぎちと滲ませるその目は、一貫して私を”敵”とみなしている。
「俺、誤解してたわ。お前はもしかしたらちょっといいヤツなのかもって」
「………」
「この……裏切り者が」
バンはそれだけを低く吐き捨てると、こちらを睨みつけたまますれ違った。
肩がぶつかるほど近くを通り過ぎ、足音が扉に向かっていく。
それが更衣室を出る手前、閉ざされた扉の前でピタリと足を止めた。
「……なぁ。教えてくれよ。あんな男の、何がいいんだ……?」
「………」
「あんなの人間じゃねぇ。悪魔じゃねぇか」
憎い。憎くてたまらない。
シドも、シドの近くにいる私も。
震えるバンの声は、そんな風に私を責めた。