余所者-よそもの-【 2 】
私はもう諦めた。
グラスを手に取り、リキュールのボトルを用意する。
するとリキュールを注ぎ入れたところで、バンの手が横からすっ飛んできた。
床に落ちたグラスが、ガシャン!と音を立てて、砕け散る。
「なに、すんの」
「ピンクのカクテルでカンパリ入れるか?普通。カンパリだったら俺だって覚えてんだよ!」
「そもそもバンくんのせいじゃん」
「キモ。てめぇの低能棚に上げて逆ギレしてくんな」
「……もういい」
そう啖呵を切ったところで、
「うん、ホント。もういいわよ」
いつの間にかバーカウンターの前に立っていたリンコが台の上で両ひじを突いて、じっと冷ややかな目つきでこちらを見ていた。
「ヒドい店。ユキちゃんにとって特別なお店って聞いてたから期待してたのに。従業員の質がサイアク」
私は頭を下げて、何度か謝罪の言葉を口にした。
横から慌てて入ってきたサンコンも、私の隣で一緒になって深く頭を下げた。