愛するあなたを殺させないため、死に戻った私はこの恋を捨てると決めた
 ロジェリオの手の中にあるピアスを、エリシアものぞき込む。かすみ草をモチーフにした金色のピアスは、彼が言うように花の一部が取れかかっていた。
 二人の出会いのきっかけとなった花で、お互いに好きな本の中で印象的に使われている花でもある。エリシアがそのシーンを好きだと言ったことから、ロジェリオが贈ってくれたのだ。彼からもらったプレゼントはたくさんあるけれど、このピアスは最初の贈り物で、エリシアもとりわけ大切にしていた。
「購入した店に、修理ができないか問い合わせてみるよ。一旦預からせてもらっても構わないかな?」
「えぇ、ありがとう」
 ロジェリオはピアスをハンカチで包むと、そっと胸のポケットへとしまい込んだ。そして、エリシアの腰を抱き寄せる。
「風が出てきたし、中に戻ろうか。そろそろ、キスだけじゃ我慢できなくなってきた」
「まぁ、ロジェリオったら」
 耳に息を吹き込むように囁かれて、エリシアは熱を持った身体を自覚しつつ笑う。
 視線を絡ませ小さく笑い合って、二人はゆっくりと庭を後にした。
 
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