愛するあなたを殺させないため、死に戻った私はこの恋を捨てると決めた
「あなたもその花が好きなのかなと、思って」
記憶の中と似たようなやりとりに、胸が詰まる。つんと鼻の奥が痛んで、今にも涙がこぼれ落ちそうだ。瞬きで涙を堪え、泣きそうになっていることに気づかれないよう、エリシアは下を向く。その時、華やかな弦楽器の前奏が流れ始めた。聞き覚えのある旋律に、エリシアはぴくりと肩を震わせる。
それは、エリシアがロジェリオと初めて踊った曲だった。
出会った場所も時期も違うのに、どうしてこのタイミングでこの曲が流れてしまうのだろう。
失礼を承知で、このまま彼の手を振り切って逃げてしまおうかと考えていると、ロジェリオがエリシアにそっと手を差し出した。
「これも何かの縁だ。よければ、踊っていただけませんか?」
「……っ」
「ほら、踊っているうちに乾くと思うんです」
悪戯っぽい顔で、ロジェリオは自らのジャケットを軽く撫でる。エリシアのせいで濡れてしまったのだから、ここで誘いを断るわけにはいかないだろう。
「……えぇ、喜んで」
声が震えないよう気をつけて、エリシアはゆっくりと彼の手を取った。
曲に合わせてステップを踏みながら、お互いに自己紹介をする。ロジェリオが初めて女性をダンスに誘ったと周囲から注目を浴びていることもあり、エリシアは落ち着かない気持ちでいっぱいだ。それでも、かつて何度も一緒に踊ったので、何も言わなくてもタイミングが合う。
「すごく踊りやすい。不思議だな、エリシア嬢とは初めて踊った気がしない」
「リードがお上手だからだと思います」
「褒めてもらえて光栄だ。強引にダンスに誘ったから、嫌われてしまったかと少し心配だったんだ」
「……そんなことは、ありませんわ」
記憶の中と似たようなやりとりに、胸が詰まる。つんと鼻の奥が痛んで、今にも涙がこぼれ落ちそうだ。瞬きで涙を堪え、泣きそうになっていることに気づかれないよう、エリシアは下を向く。その時、華やかな弦楽器の前奏が流れ始めた。聞き覚えのある旋律に、エリシアはぴくりと肩を震わせる。
それは、エリシアがロジェリオと初めて踊った曲だった。
出会った場所も時期も違うのに、どうしてこのタイミングでこの曲が流れてしまうのだろう。
失礼を承知で、このまま彼の手を振り切って逃げてしまおうかと考えていると、ロジェリオがエリシアにそっと手を差し出した。
「これも何かの縁だ。よければ、踊っていただけませんか?」
「……っ」
「ほら、踊っているうちに乾くと思うんです」
悪戯っぽい顔で、ロジェリオは自らのジャケットを軽く撫でる。エリシアのせいで濡れてしまったのだから、ここで誘いを断るわけにはいかないだろう。
「……えぇ、喜んで」
声が震えないよう気をつけて、エリシアはゆっくりと彼の手を取った。
曲に合わせてステップを踏みながら、お互いに自己紹介をする。ロジェリオが初めて女性をダンスに誘ったと周囲から注目を浴びていることもあり、エリシアは落ち着かない気持ちでいっぱいだ。それでも、かつて何度も一緒に踊ったので、何も言わなくてもタイミングが合う。
「すごく踊りやすい。不思議だな、エリシア嬢とは初めて踊った気がしない」
「リードがお上手だからだと思います」
「褒めてもらえて光栄だ。強引にダンスに誘ったから、嫌われてしまったかと少し心配だったんだ」
「……そんなことは、ありませんわ」