愛するあなたを殺させないため、死に戻った私はこの恋を捨てると決めた
懸命に抵抗しようとするものの、強烈な眠気に襲われて身体に力が入らないし、声も思うように出せない。
「大丈夫ですよ。ゆっくりとお休みください、エリシアお嬢様」
耳元で囁かれた声に、全身の毛が逆立つほどの不快感を覚える。離してと訴えたつもりの声は微かな吐息にしかならなくて、エリシアの意識はそのまま闇に飲まれた。
◇
ゆっくりとエリシアは意識が浮上していくのを感じていた。視界に映るのは、見慣れた自室のベッドの天蓋。だけど、何故か手足が動かない。感覚がなくて、指先ひとつ動かすことができない。
「……っ」
声も出せなくて、まるで胸を押さえつけられているように息が苦しい。
どうして、誰か助けてと心の中で叫ぶものの、微かな吐息が漏れるだけ。
その時、エリシアの視界に人影が映り込んだ。
「エリシアお嬢様、大丈夫ですか?」
にやにやと笑いながら顔をのぞき込んでくるのは、ザカリアスだ。彼はゆっくりとエリシアの頬に手を伸ばしてくる。湿った手が頬に触れて、まるで虫が這っているような嫌悪感を覚える。だけど声を出すことはできなくて、震える吐息だけが微かに響いた。
ザカリアスは頬を撫でながら、息がかかりそうなほど近い距離でエリシアをじっと見下ろす。
「二人きりで一緒に暮らそうね、エリシア。愛してるって、言ってくれただろう?」
にいっと口の端を引き上げたザカリアスが、更に顔を近づけてくる。頬を、なまぬるい吐息が掠めた。
「いや……嫌あぁぁぁっ!」
必死に叫んだところで、目の前からザカリアスの姿が消える。荒い息を吐きながら周囲を見回して、さっきのが夢であったことを確認したエリシアは、震える身体を抱きしめた。まだ鼓動は痛いほどの速さで打っているし、呼吸も整わない。
「大丈夫ですよ。ゆっくりとお休みください、エリシアお嬢様」
耳元で囁かれた声に、全身の毛が逆立つほどの不快感を覚える。離してと訴えたつもりの声は微かな吐息にしかならなくて、エリシアの意識はそのまま闇に飲まれた。
◇
ゆっくりとエリシアは意識が浮上していくのを感じていた。視界に映るのは、見慣れた自室のベッドの天蓋。だけど、何故か手足が動かない。感覚がなくて、指先ひとつ動かすことができない。
「……っ」
声も出せなくて、まるで胸を押さえつけられているように息が苦しい。
どうして、誰か助けてと心の中で叫ぶものの、微かな吐息が漏れるだけ。
その時、エリシアの視界に人影が映り込んだ。
「エリシアお嬢様、大丈夫ですか?」
にやにやと笑いながら顔をのぞき込んでくるのは、ザカリアスだ。彼はゆっくりとエリシアの頬に手を伸ばしてくる。湿った手が頬に触れて、まるで虫が這っているような嫌悪感を覚える。だけど声を出すことはできなくて、震える吐息だけが微かに響いた。
ザカリアスは頬を撫でながら、息がかかりそうなほど近い距離でエリシアをじっと見下ろす。
「二人きりで一緒に暮らそうね、エリシア。愛してるって、言ってくれただろう?」
にいっと口の端を引き上げたザカリアスが、更に顔を近づけてくる。頬を、なまぬるい吐息が掠めた。
「いや……嫌あぁぁぁっ!」
必死に叫んだところで、目の前からザカリアスの姿が消える。荒い息を吐きながら周囲を見回して、さっきのが夢であったことを確認したエリシアは、震える身体を抱きしめた。まだ鼓動は痛いほどの速さで打っているし、呼吸も整わない。