愛するあなたを殺させないため、死に戻った私はこの恋を捨てると決めた
 医者の指摘に、エリシアはうなだれる。睡眠がとれていないことはもちろん、食事もあまり食べられないのだ。だけど、弱っていてはザカリアスにつけいる隙を与えてしまうかもしれない。無理にでも食べなければと、エリシアはため息をついた。

 ◇
 
 相変わらず心の落ち着かない日々を過ごしているエリシアだったが、ある日突然先触れもなくロジェリオが訪ねてきた。
「エリシア、もしかして体調が悪かった……? 少し瘦せたみたいだ」
「大丈夫、ロジェリオに会えたらすごく元気が出たわ。でも、どうして突然……?」
 愛する婚約者に会えたことは嬉しいものの、連絡もなしに訪ねてくるのは珍しい。首をかしげたエリシアを見て、ロジェリオはどこか苦い表情になった。そしてエリシアを抱き寄せるふりをしながら耳元に唇を寄せる。
「きみに何通か手紙を送ったけど、届いていないみたいだね」
「手紙……知らないわ」
「返事がなかったから、気になって。それで、来てみたんだ」
 そう囁いたあと、ロジェリオは大げさな仕草でエリシアを抱きしめた。
「仕事がひとつ片付いたら、どうしてもエリシアの顔が見たくなってね。連絡もなしに訪ねて、すまない」
 きっとそれは、執事に聞かせるためでもあるのだろう。エリシアも会えて嬉しいと笑顔で応えることにした。
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