愛するあなたを殺させないため、死に戻った私はこの恋を捨てると決めた
届かない手紙
ロジェリオと共にいつものサロンに行き、エリシアがお茶を淹れる。そこへザカリアスが茶菓子を持ってやってきた。エリシアの好物であるマカロンだが、もちろん手をつける気にはならない。
「尋ねたいことがあるんだが」
テーブルに菓子の載った皿を置いたザカリアスに、ロジェリオが声をかける。執事らしい丁寧な動作で、ザカリアスはスッと姿勢を正した。その顔にはいつもと変わらぬ穏やかな笑みが浮かんでいて、動揺など微塵も感じさせない。
「はい。なんなりと」
「この一週間の間に、エリシアへ三通の手紙を送ったはずなんだが、届いていないだろうか?」
「手紙――ですか。申し訳ありません、先週も今週も、エリシアお嬢様に宛てたお手紙は届いておりませんでしたが……」
軽く首をかしげたザカリアスは、最近受け取った手紙について思い返している様子だ。父親や弟に宛てた手紙が届いていたのは、エリシアも覚えている。
「今一度、詳細を調べてまいりましょうか?」
「あぁ、そうだな。時に郵便事故が起こることはありえるだろうが、こうも連続すると心配でね」
ロジェリオの言葉に、ザカリアスは一礼してサロンを出て行った。その姿を見送って、ロジェリオが小さくため息をつく。そしてエリシアの腰に腕を回して抱き寄せた。
「シアの言う通り、あの男は何かを企んでいそうだ」
抱きしめて愛を囁くふりをしながら、ロジェリオが耳元でこそりとそんなことを言う。壁際に控える侍女に聞かれるわけにはいかないので、エリシアは婚約者との甘い触れ合いをしていると装うことにする。
「手紙のことを聞いた時、ほんの一瞬だけ苛立ったような顔をした。あいつが手紙を握り潰したのかもしれないな。今頃、言い訳を考えてるんだろう」
「尋ねたいことがあるんだが」
テーブルに菓子の載った皿を置いたザカリアスに、ロジェリオが声をかける。執事らしい丁寧な動作で、ザカリアスはスッと姿勢を正した。その顔にはいつもと変わらぬ穏やかな笑みが浮かんでいて、動揺など微塵も感じさせない。
「はい。なんなりと」
「この一週間の間に、エリシアへ三通の手紙を送ったはずなんだが、届いていないだろうか?」
「手紙――ですか。申し訳ありません、先週も今週も、エリシアお嬢様に宛てたお手紙は届いておりませんでしたが……」
軽く首をかしげたザカリアスは、最近受け取った手紙について思い返している様子だ。父親や弟に宛てた手紙が届いていたのは、エリシアも覚えている。
「今一度、詳細を調べてまいりましょうか?」
「あぁ、そうだな。時に郵便事故が起こることはありえるだろうが、こうも連続すると心配でね」
ロジェリオの言葉に、ザカリアスは一礼してサロンを出て行った。その姿を見送って、ロジェリオが小さくため息をつく。そしてエリシアの腰に腕を回して抱き寄せた。
「シアの言う通り、あの男は何かを企んでいそうだ」
抱きしめて愛を囁くふりをしながら、ロジェリオが耳元でこそりとそんなことを言う。壁際に控える侍女に聞かれるわけにはいかないので、エリシアは婚約者との甘い触れ合いをしていると装うことにする。
「手紙のことを聞いた時、ほんの一瞬だけ苛立ったような顔をした。あいつが手紙を握り潰したのかもしれないな。今頃、言い訳を考えてるんだろう」