たとえ世界から「ごめん」が消えたって、
その現実に酷く絶望した。
この世界から僕だけが切り離されてしまったかのような、何とも言えない恐ろしい虚無を感じるのだ。
「僕、悲しいよ」
この苦くて不味い不安から免れられないことが。
いたたまれない感情を、拭えないことが。
残酷で、苦しくて、悲しい。
そんな僕に、愛おしい彼女は何度も何度も、大丈夫だよ、と慰めてくれる。
「蘭、蘭はずっと消えないよね、蘭、」
「うん、悲しいよね、けど、“ごめん”なんてわからなくても、大丈夫だよ」
そうして彼女は、僕の手をぎゅうっと握りしめて、最後に必ず、こんなセリフを唱える。
──たとえ世界から
「ごめん」が消えたって、
「わたしがここに、いるでしょう?」