嫌われない方法を覚えた少女(上)
第一章

嫌われない方法


私には昔から変な癖があった。

誰かに嫌われるのが怖い。

だから空気を読む。

相手の顔色を見る。

言いたいことがあっても飲み込む。

「大丈夫?」

そう聞かれたら、

本当は大丈夫じゃなくても、

「大丈夫だよ」

って笑う。

その方が楽だから。

相手を困らせなくて済むから。

いつの間にか私は、

愛される方法じゃなくて、

嫌われない方法ばかり覚えていた。



高校生の頃もそうだった。

友達との関係も。

恋愛も。

いつも私は、

相手を優先する側だった。

だから恋が終わる時は決まって同じだった。

相手は悪くない。

私も悪くない。

ただ、

気づいた時には心が空っぽになっていた。



元彼と別れてからしばらく経った頃。

私は少しだけ恋愛に疲れていた。

好きになるのが怖かった。

期待するのが怖かった。

また傷つくのが怖かった。

でも。

人を好きになる気持ちは、

そう簡単に消えるものじゃなかった。
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