嫌われない方法を覚えた少女(上)
第二章

Kくん


Kくんと出会ったのは、

特別な日ではなかった。

運命的な出会いでもない。

映画みたいな偶然もない。

本当に普通だった。

だからこそ、

後から思う。

人生を変える出会いって、

案外そんなものなのかもしれない。



最初の印象は、

静かな人。

だった。

優しいけど、

何を考えているかわからない。

感情をあまり表に出さない。

私とは真逆だった。

いや。

正確には違う。

私も感情を隠していた。

ただ、

笑顔で隠すのが上手だっただけだ。



Kくんとのやり取りは楽しかった。

無理をしなくてよかった。

変に取り繕わなくてもよかった。

それなのに。

楽しくなればなるほど、

怖くなった。



「好きになったらどうしよう」



その予感は、

思ったより早く現実になった。
< 2 / 8 >

この作品をシェア

pagetop