素直で素直じゃない複雑関係

口止め

今日からまた学校が始まる。
休み明けっていつもだるいよね。
でも友達に会えるんだもん、行くしかないよ!
支度をして朝食をとった私は家を出た。

「いってきまーす」

そうしてドアを開けたとともに、視界に入るひとりの男の子。
黒髪にオレンジのインナー、灰色っぽい黒い瞳、スッと整った顔立ち。

「おはよう萩翔(しゅうと)!」

私は幼馴染の宇咲萩翔(うさきしゅうと)に声をかける。
すると、萩翔は表情を明るくさせた。

「おはよう梨紗」

萩翔は近くに住んでいて、保育園からの友達なんだ。
あだ名は天然王子様。
かわいいところあるんだよね、萩翔って。
そして、ふたりで横に並んでいつものように登校する。

「あー、今日ってテストだよね?気分下がる…」

「あはは、萩翔ってばいつもそれー!ただの小テストじゃん?」

私は明るく笑ってみせる。
萩翔は成績上位者だから、両親からの期待が重いみたいなんだよね。
私はそんなことないけど。

「まあ、いつも通り頑張るわ〜」

「うん、頑張れ」

そうしてしばらく歩いていくと、学校が見えてきた。
ふたりで階段を上がり、自分のクラスに入る。
これもいつものこと。
そして。

「おっ!今日もふたりで登校ですかぁ。仲がよろしゅうことで」

声が聞こえた左側に視線を移動させると、そこには友達の如月雲雀(きさらぎひばり)と雲形七瀬(くもがたななせ)が自分の席に座っていた。
雲雀の茶化しに、七瀬が言う。

「ちょっと雲雀、あんま梨紗をいじんないで」

「えぇ〜、だって楽しいんだもん!」

七瀬がため息をついた。
ふたりはいつもこんな感じで、雲雀が私を茶化して七瀬が止める。
私はいつものようにクスッと笑った。

「ふたりとも、おはよう」

そう言うとふたりは言い合いをやめた。

「はよー!」

「おはよ」

そうして私は自分の席に荷物を置いた後、3人で話した。
これが日常。
でもこの日から、日常は変わった。

ガラッ。
< 3 / 3 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:0

この作品の感想を3つまで選択できます。

  • 処理中にエラーが発生したためひとこと感想を投票できません。
  • 投票する

この作家の他の作品

表紙を見る 表紙を閉じる
_________________ ʚ♡ɞ _________________ 兄との別れは唐突でとても受け入れられるものではなかった だけど、前を向かなきゃいけない お兄ちゃんの夢を叶えるために アルビノの奇病持ち&いじめられっこ 椋名 雲華 × 吸血鬼の少年&神の子 名鏡 悠月 私の人生はお兄ちゃんの夢を叶えるためにある だから私は、どうなってもいい でもそれを否定したのは—— 「雲華の人生は雲華のものでしょ」 「でも私…そうしたらお兄ちゃんがいなくなっちゃいそうで嫌なの」 結局私はずっと過去の呪縛に囚われているんだ でもそれが、少しずつ変わっているような気がする 「俺の力なら、雲華を過去に戻せる」 「私…戻りたい。お兄ちゃんのところに」 過去に戻った先に、なにがあるんだろう _________________ ʚ♡ɞ _________________
目覚めた世界で望むものは

総文字数/10,975

恋愛(学園)3ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
_________________ ʚ♡ɞ _________________ 婚約者に裏切られ公開処刑された私 目覚めた世界もまた私を絶望させた 私には剣が全てだったのに—— 元公爵令嬢&天才少女 八名木 夕衣 × 魔王子&クール男子 夕季 日向 あの日の光景が脳裏に浮かぶ この世界で私は生きていけるの? 「あんたなら自分であんな奴ら撃退できそうだけどな」 そうだ、なにが剣士の誇りだ 私はこんなもの公爵令嬢として剣士として蹴散らしてきた 「あら、私にできないことはなくってよ」 「ふっ、それでこそ俺が認めた女だ」 だけど忘れてはいけない この体は“八名木夕衣”のものだということを _________________ ʚ♡ɞ _________________
表紙を見る 表紙を閉じる
_________________ ʚ♡ɞ _________________ キミのことをもっと教えてほしい 仲間じゃないなんて言わないで 私はあなたを救うんだ 最強女子中生&ONEの姫 橘 美結 × 最強総長様&女嫌い 黒瀬瑞生 and—— かわいい系&孤独な少年 鏑木陽葵 同じONEのメンバーなのにどこか違う鏑木先輩 「僕は信用しちゃいけないよ?」 どうして突き放すの? 孤独に見えるから私は救いたい 「どうして僕の世界に入ってくるんだよ!!そういうのうぜぇんだよ」 「私はそういう人なの」 キミの世界に私をいれて _________________ ʚ♡ɞ _________________

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア

pagetop