たった一日の恋人役のはずが、敏腕社長の妻になりました

 お互いに譲り合って決まらないでいると、成海社長が小さく息を吐いた。


「この件については再度話し合おうことにして、ひとまず夕食にしないか」

「そうですね」


 そういえばまだ夕食を取っていない。それに気付いた途端にお腹が空いていきた。


「この天気だと外に出るのは難しいな。ホテルの中の店で食べるか」


 成海社長の提案で私たちは客室を出て、レストランのあるフロアへと向かう。

 和食、寿司、中華、鉄板焼、フレンチとさすが大きなホテルだけあり多種多様なレストランがあるが、その中で私たちが選んだのは窯焼きのピザとクラフトビールが楽しめるお店。

 クリスマスということもあり店内は混み合っているが、悪天候のせいでキャンセルも何件かあるようですぐに席に通された。

 ビアホールのような雰囲気もあるが、高級ホテルの中にあるお店だけあり上品さも漂っている。

 こういう場所で食事を取ったことがほとんどなく、雰囲気に圧倒されてしまった私に代わって成海社長がメニューの中からスムーズに食事を頼んでくれた。

 初めにビールが席に届く。何種類かあり、その中でも私はフルーティーな味わいのあるものを選んだ。


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