たった一日の恋人役のはずが、敏腕社長の妻になりました


 ふかふかの絨毯の廊下を進み、部屋に到着。成海社長がカードキーをかざして入室した部屋の真ん中にはクイーンサイズのベッドが置かれていた。


「すまない。この部屋しか空いてなかった」


 ベッドを見ながら思わず固まる私に気付いたのか、成海社長が突然謝罪の言葉を口にした。私は慌ててしまう。


「いえ。泊まれる部屋があるだけで充分です」 

「ベッドは梅本が使って。俺はあのイスで寝るから」


 窓辺にはチェアがひとつあり、成海社長はそこで寝ると言うのだろう。

 さすがにそれは出来ない。


「いえ、私がイスで寝ますので、成海社長はベッドをどうぞ」

「それだと体が休まらないだろ」

「それは、成海社長も同じです。私はどこでも眠れるので問題ないです」


 ひとり暮らしをしていたときは、仕事から疲労困憊の状態で帰ってきて力尽き、玄関やリビングの床で寝ていたことが何度かある。

 起きたときに腰や肩が痛いけれど、眠れないわけではない。


「女性をイスで寝かせるわけにはいかない。梅本がベッドを使ってくれ」

「私も成海社長にイスで寝てもらうわけにはいきません。ベッドを使ってください」


 どちらがベッドで眠るのか。


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