たった一日の恋人役のはずが、敏腕社長の妻になりました

「ここだけの話ですけど、もしかすると梅本さんと成海社長は仮面夫婦なんじゃないかって噂があって」

「そうなの?」

「はい。実は私もそう思っていたんです。梅本さんあまり成海社長の話をしないから、もしかして夫婦仲が良くないのかなって、こっそり心配してました」


 確かに、玉置さんの前で雅貴さんの話はあまりしたことがないけど、そのせいでまさかそんな心配をされているとは思わなかった。

 それに、仮面夫婦だという噂が流れているのも初耳だ。

 どうやら私と雅貴さんが夫婦に見えないと思っているのは霧矢さんだけではなかったらしい。
 
 噂は真実だけれど、ここでそれを言うわけにはいかない。


「でも、さっきの頭ぽんぽんを見て、ふたりは本当に夫婦だってよくわかりました」


 そう言われて、雅貴さんのあの行動の意味がようやくわかった。

 突然頭を撫でられたときは驚いたけれど、もしかして彼は玉置さんが見ていることに気づき、夫婦らしさを出すためにあえて私の髪を撫でたのかもしれない。 


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