たった一日の恋人役のはずが、敏腕社長の妻になりました
そのあとは雅貴さん宛に届いているメールを確認し、優先度の高い順番にさばいてから、雅貴さんに知らせる必要のあるものだけを彼にメールで知らせる。
そのあとは会議で使う資料を作成し、ちょうど終わったところで面談時間の十一時になった。
応接室へ向かい、扉をノックすると、中から「どうぞ」と雪白室長の声が聞こえた。
「失礼します」
入室して、雪白室長の向かいのソファに腰を下ろす。
「お疲れさま」
「お疲れさまです。よろしくお願いします」
雪白室長とは普段から雑談をするし、昨年までは彼女に付いて社長秘書の仕事を覚えていたので、それなりに交流はある。けれど、面談となると少し緊張してしまう。
それに、雪白室長は雅貴さんのことが好きなんだっけ……。
玉置さんの情報が正しいなら、自分の好きな人と結婚した私をあまり良くは思っていないかもしれない。
そう思うと、一対一で話すこの時間がとても気まずい。
「さてと、始めましょうか」
上司として部下と面談をするからか、雪白室長の表情が心なしか普段よりも固いように思う。
「梅本さんは、昨年は私の下について成海社長の第二秘書をしていたけれど、今年から専属秘書になってどうかしら」