たった一日の恋人役のはずが、敏腕社長の妻になりました

 身長は、百八十は優に超える長身。

 スーツの似合うスマートな体型で、今日着ている艶感のあるブラックのスリーピーススーツ姿もとても素敵だ。 


「梅本」


 成海社長は入室してきた私には視線を向けず、ノートパソコンを見たまま、キーボードを打つ手を止めることなく私を呼んだ。


「はい」


 反射的に私は姿勢を正す。

 成海社長の秘書になって二年目。

 一年目は前任の秘書から仕事を引き継ぐ意味もあり、第二秘書というポジションで業務のサポートをし、二年目になる今年の春から専属秘書になった。

 もう二年の付き合いになるのに、成海社長のどっしりとした低い声に呼ばれるといまだに緊張してしまう。 


「そこに置いてある資料のファイリングを頼む」


 成海社長が応接テーブルに視線を向ける。そこには資料の束ができていた。


「承知いたしました」


 社長室のキャビネットにはバインダーが並んでいて、書類の種類ごとに整理されている。

 デジタル化して管理をしているものもあるけれど、原本の保管が必要なものは紙文書としてバインダーに綴じ、同時にデジタル化も行っている。


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