たった一日の恋人役のはずが、敏腕社長の妻になりました

 玉置さんの話だと、霧矢さんは広報部の人たちからあまりよく思われていないようだ。

 私の中での彼女のイメージはバリバリと仕事をこなすプロフェッショナルな女性。

 成海社長との仲の良さを周囲に自慢するようには見えないけれど。


「そうそう! 成海社長といえば、雪白室長も好きですよね」

「成海社長のことを?」

「はい」

「えっ。それは、どうかな……」


 雪白室長が成海社長を好きというのはさすがに違うと思う。

 雪白室長が成海社長の第一秘書をしていたとき、私は第二秘書としてふたりを見ていたけれど、雪白室長が成海社長に想いを寄せているような素振りは一切なかった。


「玉置さんの勘違いじゃない?」

「いえ、絶対そうです!」


 玉置さんは自信満々に答え、テーブルにグッと身を乗り出すと私に顔を近づける。


「だって、私見たんです。雪白室長が成海社長の秘書をしていた頃に連絡先を教えてほしいってずっと頼み込んでいたのを」

「本当?」

「はい。よーく覚えてます。いつもはクールな雪白室長が必死になって連絡先を聞いていたので」

「そ、そっか」


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