アイヴィーの花冠 ~シスコンと恋愛を拗らせた私はこの度、好きな人の屋敷でメイドとして働くことになりました~
『帰還』に『お祝い』
 あまりに大げさすぎやしないだろうか。

 まだこの屋敷に来てからそう時間は経っていないが、それだけ大事にされていると思っていいのかしら。
 遠ざかっていくベルモットさんの背中を見守った私は、大人しく庭園へと向かうのだった。


18.
「アイヴィーが帰ってきてくれて良かったな~」
「大げさですよ」
「そんなことはない。私たちもディートリッヒ様も、このままアイヴィーがリアゴールド家のご令嬢の元から帰ってこなかったどうしようかと、気が気でなかったんだぞ?」

 私に気を使ってくれているのか。
 今日はお呼ばれしたボブ爺も含めたいつものメンツは私をよいしょと持ち上げる。

 これがハイエナ令嬢だったら間違いなく裏がある。優しい同僚だったら頼みづらいことがあるのだろう。

 だが彼らは?
 頼まれれば喜んで仕事を受け入れるこの状況でここまでする意味……。
 ただの好意?
 それともお茶仲間が減ったら悲しいからか。

「アイヴィーさん。おかわりはいかがですか?」
「いただきます」

 まぁいっか。
< 100 / 241 >

この作品をシェア

pagetop