アイヴィーの花冠 ~シスコンと恋愛を拗らせた私はこの度、好きな人の屋敷でメイドとして働くことになりました~
 それに便乗して「ということで他当たってください!」と言い放ち、ディートリッヒ様とその場を後にする。
 とりあえず裏道までディートリッヒ様の背中を押す。
 そしてあの二人が見えなくなったあたりで彼の前に立ち、直角を越えて頭を下げる。

「ありがとうございました!」
「やはり困っていたのか」
「なかなか諦めてもらえず困っておりまして……。助けていただきありがとうございます」
「ならお礼につきあってくれ」
「はい! 何でも言いつけてください!」


 何でも、か――と呟いたディートリッヒ様に何でもは言い過ぎたか? と反省する。けれど固めた拳は引っ込みどころを失っていた。

「ついてきてくれ」
 そしてディートリッヒ様の言葉に従う以外の選択肢は残されていなかった・


 大量に買い物されたら持ちきれるかな?
 一抹の不安を抱えた私と、目的地に向かって突き進むディートリッヒ様。
 たどり着いたのは見覚えのある店だった。

「ここって……」
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