政略結婚ですが、クールな旦那様の溺愛が始まりました
「よくできました」


子どもを褒めるような口調は、慧らしくない。けれど、甘やかされている気がして、心がふわふわとしてしまう。


「すみれ、スーツのボタンも外して。俺は手が離せないから」


甘い責めを受ける中、要望が追加される。すみれはどうにかジャケットのボタンを外していくが、手に上手く力が入らない。


彼はふっと笑うと、すみれの邪魔をするように指の動きを激しくする。すると、得も言われぬ悦楽が突き抜けた。


「あっ、あぁっ、やぁっ」


すみれは喘ぎ悶えながらも、どうにかボタンを外した。


「ありがとう」


その様子を見ていた慧が、すみれにチュッとキスをして指を引き抜く。同時に苦しさは消えたが、身体は物足りないと訴えるように疼いていた。


彼が欲に塗れた目ですみれを見下ろしながら、ジャケットとワイシャツを手早く脱ぎ捨てる。ベルトもベッドの下に落として、スラックスの前を寛げた。


「すみれ、もう……」
「私も、慧さんとひとつになりたいです……」


素直な気持ちを零したすみれに、慧が眉を下げて困ったように微笑む。


「あんまり可愛いことを言うな。見境なく抱いて、壊しそうになるから」
「っ……!」


真っ直ぐな目が、本気であることを物語っている。けれど、それもいいかもしれない……と思うほどには、すみれの心身は彼を求めていた。

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