政略結婚ですが、クールな旦那様の溺愛が始まりました
「親子揃って浅はかでしたね。このご時世、SNSでの内部告発も珍しくないというのに、あいつらは本気でこんなことを隠し通せると思っていたんでしょうか」


一連のニュースが終わり、誠二が副社長室のテレビを消す。


「さあな。ただ、父親の違法行為については息子も知っていたようだし、親子揃って救いようがないのは間違いない。あんな会社、遅かれ早かれ潰れていただろ」
「まったくもって同意です。だからこそ、ネズミの首謀者を炙り出すのに時間がかかったことが悔しいですね。あんなバカ共にいいようにされていたなんて……」
「その件に関しては、東海林が慎重だったのはある」


結果的に、真輔はアジアやヨーロッパなどのサーバを七つも経由させていた。誠二が雇ったハッカーは五つ目までしか辿れなかったが、それでも腕は確かだ。


「すみれさんに接触したのは、焦りもあったんでしょうか」
「そうだろうな。違法行為をしても経営が悪化していく一方で、経営は火の車だったようだし……。内部でどうにもできないと踏んで、すみれを脅迫したんだろ。サーバを七つも経由させるような男にしては、杜撰な計画だったが」


すみれは、ひとりで思い悩んでいた。けれど、少しでもどこかに漏らしたり先に俺に相談したりしていれば、真輔の策は早々に破綻していた可能性もある。


恐らく、彼はそれを理解しつつもあんな行動に出たのだ。父親の姿を見てか、よほど切羽詰まっていたのが窺える。


「なににせよ、こちらに大きな影響がなさそうでよかったです」
「ああ、そうだな」


ニュースでは、御門と六条の名前は上がったけれど……。情報が流出する前に犯人が捕まったこともあり、ダメージらしいダメージはない。


念のために声明は出したが、この件は間もなく収束するだろう。世間の関心も、数日のうちに移り変わっていくに違いない。


「ところで、俺は慧に謝ってほしいんだが」


誠二がこれ見よがしにため息をつき、ソファに腰掛ける。その態度には、不遜な雰囲気が滲んでいた。

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