政略結婚ですが、クールな旦那様の溺愛が始まりました
「あの日にお前に任せきりだったことなら――」
「違う。すみれさんのことだ」
慧の言葉を遮った彼が、眼鏡の奥の目を眇める。
すみれが真輔に脅迫されていると知った翌日、誠二にこれまでのことを打ち明けた。
あの日、誠二は慧がすみれを優先したことが引っかかっていたという。翌日に彼から問い詰められ、ずっと隠していた本心を白状したのだ。
「俺は、慧がすみれさんと結婚したのは御門のためだと思ってた。六条の名前に魅力を感じているんだとばかり……。それがなんだ? もう何年も前からすみれさんが好きで、結婚も自ら六条社長に近づいて謀ったって?」
誠二が不満をあらわにしながら、慧を見る。慧は椅子の背もたれに身を預け、ゆったりと足を組んだ。
「人聞きが悪いな。食事に行ったら偶然にも六条社長がいて、流れで親しくなって、すみれと見合いすることになっただけだ」
「バカ言え。慧は、他人を自分のテリトリーに入れたがらないんだから、簡単に他人と親しくならないだろ。百歩譲って意気投合したとしても、その娘と見合いなんかするわけない。俺が何年お前を見てると思ってるんだ」
「言ったら反対しただろ。俺だってお前のことはよく知ってるんだ」
「ああ、したよ。六条よりもっと利のある相手は、山のようにいたんだ。でも、会長と社長も許可したし、慧も含めてそれなりに意図があるんだと思ってたら……」
彼の恨みがましい視線にも、慧は動じない。軽く受け流し、ふっと笑った。
「悪かったとは思ってる。だが、どうしてもすみれが欲しかった。誠二に反対されるのはわかってたから、既成事実を作ってしまおうと思ったんだ」
「そこまで好きだったのに、あの態度か。そりゃあ、すみれさんも慧の本心がわからないはずだ。子どもの頃から慧を知ってる俺ですら、お前が本気ですみれさんに恋してるなんて思いもしなかったんだからな」
呆れたような視線を受け、慧は眉をひそめる。誠二も言い分があるのはわかるが、それなら慧にだって不満があるからだ。
「違う。すみれさんのことだ」
慧の言葉を遮った彼が、眼鏡の奥の目を眇める。
すみれが真輔に脅迫されていると知った翌日、誠二にこれまでのことを打ち明けた。
あの日、誠二は慧がすみれを優先したことが引っかかっていたという。翌日に彼から問い詰められ、ずっと隠していた本心を白状したのだ。
「俺は、慧がすみれさんと結婚したのは御門のためだと思ってた。六条の名前に魅力を感じているんだとばかり……。それがなんだ? もう何年も前からすみれさんが好きで、結婚も自ら六条社長に近づいて謀ったって?」
誠二が不満をあらわにしながら、慧を見る。慧は椅子の背もたれに身を預け、ゆったりと足を組んだ。
「人聞きが悪いな。食事に行ったら偶然にも六条社長がいて、流れで親しくなって、すみれと見合いすることになっただけだ」
「バカ言え。慧は、他人を自分のテリトリーに入れたがらないんだから、簡単に他人と親しくならないだろ。百歩譲って意気投合したとしても、その娘と見合いなんかするわけない。俺が何年お前を見てると思ってるんだ」
「言ったら反対しただろ。俺だってお前のことはよく知ってるんだ」
「ああ、したよ。六条よりもっと利のある相手は、山のようにいたんだ。でも、会長と社長も許可したし、慧も含めてそれなりに意図があるんだと思ってたら……」
彼の恨みがましい視線にも、慧は動じない。軽く受け流し、ふっと笑った。
「悪かったとは思ってる。だが、どうしてもすみれが欲しかった。誠二に反対されるのはわかってたから、既成事実を作ってしまおうと思ったんだ」
「そこまで好きだったのに、あの態度か。そりゃあ、すみれさんも慧の本心がわからないはずだ。子どもの頃から慧を知ってる俺ですら、お前が本気ですみれさんに恋してるなんて思いもしなかったんだからな」
呆れたような視線を受け、慧は眉をひそめる。誠二も言い分があるのはわかるが、それなら慧にだって不満があるからだ。