政略結婚ですが、クールな旦那様の溺愛が始まりました
「それにしても、よく寝てるな」
「そうだね。そろそろおっぱいの時間なんだけど……」


優美は、助産師いわく『よく寝る子』なのだとか。まだ夜泣きはなく、日中もよく眠ってくれる。産後ケアが手厚いクリニックだったのもあるが、おかげでよく休めた。


退院して環境が変わるとどうなるか、と心配していたけれど……。優美は意外と肝が据わっているのか、病室を出る前からぐっすり眠ったままだ。
そのため、今は寝室のベビーベッドではなくリビングのベビー布団で寝かせていた。


「可哀想だけど、起こすね」


慧が頷き、すみれが優美の頬を指先でツンツンと突いてみる。すると、優美が眠そうに顔をしかめ、小さな欠伸をした。


少しして目が開き、すみれたちを見る。まだほとんど見えていないはずだが、しっかりと視線が交わっていた。


「優美、お腹空いたんじゃない? おっぱい飲もうね」


彼がベビー布団から優美を抱き上げ、すみれがソファに腰掛ける。優美を受け取って乳首を咥えさせると、優美はすぐにちゅぱちゅぱと吸い始めた。


生まれて三日目まで、優美はおっぱいを飲むのが下手だった。乳首を上手く吸えず、すぐに口から離していたが、今は力いっぱい飲んでいる。


慧とすみれが見守る中、優美は愛らしい姿を見せてくれた。授乳後はゲップをさせ、彼に優美を抱いてもらう。服を整えると、優美はもう眠そうにしていた。

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