政略結婚ですが、クールな旦那様の溺愛が始まりました
華族の出である六条家の一人娘のすみれは、先月に慧と結婚したばかり。約三週間前、十一月中旬の少し曇った日のことだった。
絢爛豪華な式に、多くの招待客。そこにいた誰もがふたりを祝福し、彼は人当たりのいい笑みを見せていた。
あの状況を見て、自分たちが政略結婚だと思った人間はどれだけいただろうか。
すみれ自身も愛されていると勘違いしそうなほど、あの日の慧は絵に描いたような〝いい夫〟だった。
数時間後には冷たく突き放されてしまうなんて、一瞬も考えられなかったほどに……。
『俺は基本的に外で食事を摂るから、すみれは自分の分だけ準備すればいい。面倒なら買ってもデリバリーでもいいし、外注してもいい。すでに家事代行サービスには頼んであるから、すみれが家事について気にする必要はない』
ひょんなことから食事について話したとき、そうぴしゃりと言い放たれたのだ。
昼間に結婚式を挙げたばかりだとは思えないくらい、ひどく冷たい声音だった。
以降、彼はすみれとあまり顔も合わせようとはしない。
慧が多忙だとはいえ、今朝のような日々を毎日繰り返していれば嫌でもわかる。彼に避けられている――と。
当然のように、夫婦の部屋は別。彼の部屋にはクイーンサイズのベッドがあるというのに、一度も一緒に眠ったことはない。
もちろん、身体の関係も……。結婚式のときですら、キスは頬にされた。
(このままずっとこんな感じなのかな……)
結婚して半月以上の日々を過ごす間、すみれなりに歩み寄る努力をしてきた。
朝はコーヒーを淹れてみたり、玄関先まで見送ったり。夜遅くまで起きて慧の帰宅を待った日も、帰宅時に玄関で出迎えたこともある。
しかし、そのすべてをことごとく『こんなことはしなくていい』と拒絶されたのだ。
朝の見送りだけは、一週間頑張ってみたけれど……。最終的に迷惑そうに深いため息をつかれ、とうとう心が折れてしまった。
以来、彼とすみれの朝はさきほどのようにして過ぎていく――。
絢爛豪華な式に、多くの招待客。そこにいた誰もがふたりを祝福し、彼は人当たりのいい笑みを見せていた。
あの状況を見て、自分たちが政略結婚だと思った人間はどれだけいただろうか。
すみれ自身も愛されていると勘違いしそうなほど、あの日の慧は絵に描いたような〝いい夫〟だった。
数時間後には冷たく突き放されてしまうなんて、一瞬も考えられなかったほどに……。
『俺は基本的に外で食事を摂るから、すみれは自分の分だけ準備すればいい。面倒なら買ってもデリバリーでもいいし、外注してもいい。すでに家事代行サービスには頼んであるから、すみれが家事について気にする必要はない』
ひょんなことから食事について話したとき、そうぴしゃりと言い放たれたのだ。
昼間に結婚式を挙げたばかりだとは思えないくらい、ひどく冷たい声音だった。
以降、彼はすみれとあまり顔も合わせようとはしない。
慧が多忙だとはいえ、今朝のような日々を毎日繰り返していれば嫌でもわかる。彼に避けられている――と。
当然のように、夫婦の部屋は別。彼の部屋にはクイーンサイズのベッドがあるというのに、一度も一緒に眠ったことはない。
もちろん、身体の関係も……。結婚式のときですら、キスは頬にされた。
(このままずっとこんな感じなのかな……)
結婚して半月以上の日々を過ごす間、すみれなりに歩み寄る努力をしてきた。
朝はコーヒーを淹れてみたり、玄関先まで見送ったり。夜遅くまで起きて慧の帰宅を待った日も、帰宅時に玄関で出迎えたこともある。
しかし、そのすべてをことごとく『こんなことはしなくていい』と拒絶されたのだ。
朝の見送りだけは、一週間頑張ってみたけれど……。最終的に迷惑そうに深いため息をつかれ、とうとう心が折れてしまった。
以来、彼とすみれの朝はさきほどのようにして過ぎていく――。