愛より金を選んだ男爵令嬢は人違いで溺愛される
今思えば上から三番目のお兄様は寮生活していて長期休暇でもなければ屋敷に帰ってくることは出来ないはずなのになぜかずっとサンドレア家に居たし、隣国に嫁いでいったはずのお姉様もまだ幼い娘と一緒にその一月の間ずっと居たという謎の現象も起きていた。
あの時、久しぶりに家族全員揃ったのが嬉しくて、寮や家に戻ろうとしたお兄様やお姉様に行かないでと泣いてすがったのは今でも忘れられない。
鼻水と涙を垂れ流して汚くなった私をお兄様とお姉様は代わる代わる抱きしめてくれた。
『私たちの大事なモリア』
そう囁いて泣き止むまでそばに居てくれた。
それから10年近くが経った今、家族と離れたからといってもう泣くことはない。……暇することはあるけれど。
「お義姉様、そろそろケーキはいかがでしょう?」
「あ、いただきます」
隣から新たなお皿を突き出されてありがたく受け取り、その上に綺麗に並べられた三種類のケーキを順番に食べていく。やはりどれも期待を裏切らない、ほっぺが溶けて無くなっちゃいそうな美味しさだ。
「義姉さん、美味しい?」
「美味しいです」
「よかった……」
あの時、久しぶりに家族全員揃ったのが嬉しくて、寮や家に戻ろうとしたお兄様やお姉様に行かないでと泣いてすがったのは今でも忘れられない。
鼻水と涙を垂れ流して汚くなった私をお兄様とお姉様は代わる代わる抱きしめてくれた。
『私たちの大事なモリア』
そう囁いて泣き止むまでそばに居てくれた。
それから10年近くが経った今、家族と離れたからといってもう泣くことはない。……暇することはあるけれど。
「お義姉様、そろそろケーキはいかがでしょう?」
「あ、いただきます」
隣から新たなお皿を突き出されてありがたく受け取り、その上に綺麗に並べられた三種類のケーキを順番に食べていく。やはりどれも期待を裏切らない、ほっぺが溶けて無くなっちゃいそうな美味しさだ。
「義姉さん、美味しい?」
「美味しいです」
「よかった……」