愛より金を選んだ男爵令嬢は人違いで溺愛される
 早速作戦を決行する三人に連れられ玄関へと向かう。
 それにしても三人とも、歩くのが早い。

 焦る気持ちがそうさせるのか、手が繋がれているから後でついて行くなんてわけにいかず必死で足を動かす他ない。

 優雅に、けれど足早に歩く三人と小走りになる私。格好悪いが誰にも咎められなかったので良しとしよう。それに位置は協議する間も無く、アンジェリカとお義母様に挟まれていたため、花瓶にぶつかる心配もなかった。

「みんな揃ってどうしたんだ?」

 私たちの姿を初めに捉えたのはお義父様だった。手を繋いで一列に並んで歩く姿に目を丸くして驚いている。が、すぐにその目は優しいものへと変わる。

「仲良しになったんだなぁ」

 コートを脱ぎながら微笑ましそうに見つめる瞳は子どもの成長を見守る父親のそれと同じだ。何であろうと包み込んでくれる優しさがある。

「アンジェリカはいいとして、なぜお母様とサキヌも一緒にいるんだ?」

 一方ラウス様はというと眉間をヒクつかせていた。どうやら私がお義母様やサキヌと一緒にいることが許せないらしい。

 ……もしかして二人とも用事があったとか?

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