愛より金を選んだ男爵令嬢は人違いで溺愛される
「完璧ですわ」「いけるわ」「問題ないな」
「最近あんまり王都に行けてなかったのよね。モリアちゃんとのお買い物、楽しみだわ!」
「私、新しいリボンが欲しかったのでちょうどよかったですわ」
「ああそうそう、俺もノートが切れていたんだっけ」

 杜撰にも思える作戦会議だったが、三人は完璧であると確信を持っているようだ。
 それよりもどうやら私の外出許可はいつのまにか下りたらしい。

 行き場所は王都で、同伴者付きではあるが……。

 許可が下りたのは嬉しいが、王都にそれも彼らも一緒となると質屋には行けそうもない。

 よってドレスを換金することも出来ない。
 もっと言えば資金がないから刺繍の糸や布を入手することも出来ないというわけだ。つまり外出する意味がない。

 ない、のだがこの状況でやはり無しにすると訂正もできそうにはなかった。

「皆様、ご歓談中のところ申し訳ありません。モーチェス様とラウス様がおかえりになったそうです」

 カップを傾けながら談笑していると、シェードの淡々とした声が会話を遮った。

「あらそう……じゃあいいわね、二人とも?」
「ええもちろんですわ」
「行こうか」

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