愛より金を選んだ男爵令嬢は人違いで溺愛される
 話の種作りのためにレースのガウンを手作りした知り合いもいるのだから私たちの場合、話の種は仕入れるものではなく、作るものだったりする。

 だがカリバーン家の、上級貴族の社交界となると話は別なのだ。

「すみませんでした……」

 知らなかったとはいえ、一緒にお茶をしたという、いわば共犯者である。

「モ、モリアちゃん?!」
「悪いのは俺たちだから」
「ですが……」
「モリア、頭を上げてくれ。体調は大丈夫か? 気分が悪くなったりしていないか?」
「え? あ、はい。大丈夫です」
「なら良かった。また無理をさせて体調を崩しはしないかと心配だったんだ」
「ラウス様……」
「モリア……」

 ラウス様と私の視線が交わったとき、ゆっくりと頭を下げる。角度はカリバーン家の使用人を参考にして、それよりも少しだけ深めに。

「ご心配をおかけして申し訳ありません」
「そうじゃなくて、だな。……その私が勝手に心配しただけだからモリアは何も悪くない」
「モリアちゃん……ごめんなさい。私、知らなくて……。あなたと一緒にお茶の時間を過ごせるのが楽しくて、つい……」
「お義母様……」
「……許してくれる?」

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