愛より金を選んだ男爵令嬢は人違いで溺愛される
 私はそれを彼らのアドバイスを受けながら植えていただけで、私の成果などほとんどない。

 けれどほんの少しだけ自分が関わっていたこともあり、嬉しくなる。

「ありがとうございます」

 出来ることなら彼らに直接聞かせてあげたい言葉で、ここにいないことが悔やまれる。後で私からラウス様が綺麗だとおっしゃっていたと伝えたところで効果は半減だろう。

 走り続けた馬車が止まり、ラウス様に支えられながら降りた先で見たのは宝飾店のガラス張りのウィンドウだった。

 まさか買い物ってここで?
 カクカクと首を機械のように動かしながら横を見上げると、ラウス様の視線は真っ直ぐにガラス張りのウィンドウに固定されていた。

 どうやら今日のお買い物はここでするらしい。
 買い物って見るだけでも楽しいと思っていた自分を今からでも怒りたい。拒否権はないのでここに来る未来は変わらなかったのだろうが、だとしても心の準備があるかないかで大きく変わる。

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