愛より金を選んだ男爵令嬢は人違いで溺愛される
 けれどラウス様は一貫してダイナス様は決して悪い人ではないのだと言い続けた。

 それは親戚に変なイメージを持って欲しくないからかと思ったものの、ラウス様がポツリとこぼした言葉でその思いは一気にひっくり返った。

「あいつにも色々と協力してもらったし、な……」

 どうやらダイナス様とはただの親戚というだけではないらしい。

 恥ずかしげに付け足すその仕草に、今までダイナス様に抱いていたイメージを全て壊してしまわなければいけないなと反省したのはまだ記憶に新しい。

「ふぁ……」

 そうこう以前話してもらったことに思いを馳せていると、やっとのこと睡魔がやってくる。確認のためにと両頬に手を伸ばすとすでにそこからは熱が引いていて、当てた手よりも冷たいくらいだった。

 ゆっくりと瞼をおろし、押し寄せた睡魔に身を預けるとそれからすぐに意識は遠のいていくのであった。


 数日後ーーいつもよりも早く帰宅されたラウス様は、出迎えに来た私の手を握った。


「モリア、星を見に行こう!」
「星、ですか?」
「馬に乗って湖で星を見ようと約束しただろう? 今日はよく晴れるらしい!」

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