愛より金を選んだ男爵令嬢は人違いで溺愛される
「あの二人の婚約はアンジェリカに一目惚れしたマクベス王子が、陛下に頭を下げて頼んだものだ。王家としては、それ以外の婚約は一切受け付けないと宣言してそのほかのご令嬢に会わないマクベス王子に他の婚約を取り付けるより、カリバーンの娘をとった方が良かったのだろう。アンジェリカと婚約を結んで以来、王子と陛下は何やら約束事を結んだらしくワガママ王子の噂はメッキリ収まったものだ」
「ですが……」
「その時、カリバーンと王家が結んだのはアンジェリカが婚約破棄を願い出た場合は何があろうとも承諾するという約束事だ。

 本来ならば陛下も他の公爵家も本当はこれ以上カリバーンの権力集中は見逃せないんだ。

 私は次期宰相、そしてサキヌは次期公爵家当主、アンジェリカは次期王子妃だ。

 私はとある一件があってからずっと婚約者を作らなかったため、長年その場に自分の娘を据えようと躍起になっていた者が多かった。

 こうしてモリアを妻に迎えられたのは、故意ではなかったにしろ、権力合戦には無頓着のサンドレア男爵家の娘だったから。結果的に政治的な権力を分散することとなった。

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