愛より金を選んだ男爵令嬢は人違いで溺愛される
その子が歩く度、他のネコたちは道を空ける。おそらくはシャロン様がネコ夫人と呼ばれるほど多くのネコがいるこの屋敷で、長として敬われているネコなのだろう。
身をかがめ、そして彼か彼女かわからないその子へと自己紹介をする。
「モリアといいます。どうぞよろしくお願いします」
頭を上げると海の底のように真っ青な綺麗な瞳と視線が混ざり合う。するとそのネコはまたゆっくりと歩みを進め、そして私の曲げた膝へと手を乗せた。
「にゃ」――と一言。
その子が告げるとそれを合図としたかのように周りで傍観を決め込んでいたはずのネコたちは私へと一気に距離を詰め出した。
「え、ええっと……」
「ごめんなさいね、モリアさん。ほらみんな、モリアさんが困っているでしょう? エリザも、久しぶりに会えて嬉しいからってはしゃぎ過ぎよ」
「エリザってこの子が……」
この子こそラウス様の言っていたネコなのか。シャロン様も久しぶりに会えたと一度私がこの子と会ったことがあるように言っている。
確かにこの目、一度どこかで見たことがあるような……。
身をかがめ、そして彼か彼女かわからないその子へと自己紹介をする。
「モリアといいます。どうぞよろしくお願いします」
頭を上げると海の底のように真っ青な綺麗な瞳と視線が混ざり合う。するとそのネコはまたゆっくりと歩みを進め、そして私の曲げた膝へと手を乗せた。
「にゃ」――と一言。
その子が告げるとそれを合図としたかのように周りで傍観を決め込んでいたはずのネコたちは私へと一気に距離を詰め出した。
「え、ええっと……」
「ごめんなさいね、モリアさん。ほらみんな、モリアさんが困っているでしょう? エリザも、久しぶりに会えて嬉しいからってはしゃぎ過ぎよ」
「エリザってこの子が……」
この子こそラウス様の言っていたネコなのか。シャロン様も久しぶりに会えたと一度私がこの子と会ったことがあるように言っている。
確かにこの目、一度どこかで見たことがあるような……。