愛より金を選んだ男爵令嬢は人違いで溺愛される
 その特徴に当てはまるネコなら何度か見たことはあるけど、結構多くのネコに当てはまる特徴ではある。

 ラウス様の言う通り、会ってみれば今まで会ったことのある子かそうでないかがわかるだろう。



「初めましてモリア=サンドレアと申します」

 そして私は今、四方八方を大量のネコたちに囲まれながらシャロン様に挨拶をしている。

 この空間にいる人間はシャロン様の他にはお義母様とアンジェリカ、そして私と3人だけで、初対面なのはシャロン様だけだとタカをくくっていた私だったのだが予想よりも遥かに緊張している。

 ネコが想像よりも多いのだ。
 少なくとも私の場所から見える子たちだけでも数えるのを早々に諦めてしまうほどには。そしてそんな彼らは一様に私を見定めるような視線を突き刺してくる。

 それは果たして歓迎なのか、それとも……。
 そう考えるだけで背筋には冷たい汗が伝っていくのを感じる。

 すると私の足元に群れから外れた一匹のネコがゆったりとした歩みでこちらへと向かってくる。

 高貴なほどに真っ白な毛をしたネコだ。
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