愛より金を選んだ男爵令嬢は人違いで溺愛される
「ラウス様……」
「モリアが私を嫌っているわけでないというのなら、だが」
「嫌いなわけ、ないじゃないですか! ラウス様を嫌いになれたらこんなに悩んだりなんかしません……」
借金のカタで嫁いだ私に相手を選ぶ権利などなかった。どんな相手でもサンドレアの人達を救えるならば、そう思ってやって来たのだ。
想いを寄せてもらえるなんて、誰かを好きになるなんて思いもしなかった。
そして私は誰かを愛するということを知った。他ならぬラウス様が教えてくれたのだ。だからそんなラウス様には幸せになって欲しいって思えた。
「モリア……」
「ドレスはサンドレアの屋敷に保管してあります。明日、サンドレア屋敷まで行ってこちらまでお持ちいたします」
「私も共に行っていいか?」
「ですが……」
「一刻も早く、確認したいんだ」
夜が完全に明けるのを待つことなく、気持ちよく寝ているお義父様とお義母様を起こしたラウス様は口早に事情を告げる。
そしてそれを了承し、背中を押してくださった2人に頭を下げると「いってらっしゃい」と玄関まで見送ってくれた。
「モリアが私を嫌っているわけでないというのなら、だが」
「嫌いなわけ、ないじゃないですか! ラウス様を嫌いになれたらこんなに悩んだりなんかしません……」
借金のカタで嫁いだ私に相手を選ぶ権利などなかった。どんな相手でもサンドレアの人達を救えるならば、そう思ってやって来たのだ。
想いを寄せてもらえるなんて、誰かを好きになるなんて思いもしなかった。
そして私は誰かを愛するということを知った。他ならぬラウス様が教えてくれたのだ。だからそんなラウス様には幸せになって欲しいって思えた。
「モリア……」
「ドレスはサンドレアの屋敷に保管してあります。明日、サンドレア屋敷まで行ってこちらまでお持ちいたします」
「私も共に行っていいか?」
「ですが……」
「一刻も早く、確認したいんだ」
夜が完全に明けるのを待つことなく、気持ちよく寝ているお義父様とお義母様を起こしたラウス様は口早に事情を告げる。
そしてそれを了承し、背中を押してくださった2人に頭を下げると「いってらっしゃい」と玄関まで見送ってくれた。