愛より金を選んだ男爵令嬢は人違いで溺愛される
 この失態を何とかカバーするためには、それ以上にカリバーン家のために役に立つ他ないのだろう。

「昼夜ともに尽くさせていただきます」

 胸の前で手を固めて、宣言すればラウス様は顔を抱え込んでしまった。

 私、なにか変なことを言ってしまったのだろうか?
 わざわざ宣言するなんて、と呆れられたのかもしれない。

 顔色を窺うように顔を覗き込めば、唯一確認出来た耳は赤く染まっていた。
 どうやら昨晩の疲れが出てしまっているようだ。昨日来たばかりで、使用人の制服さえ頂けていない私はカリバーン家に出入りしている医師がいるのかさえも把握していない。

 だが風邪なら早く対応した方がいいし……。

 布団から出たばかりの私が身にまとっているのは、見覚えのないネグリジェ。
 レースで花柄があしらわれているのはとても可愛らしいが、夜にお相手を誘うためなのか、肌が透けて見えてしまう部分も多い。

 大事な部分はしっかりと隠れているが、それ以外の場所に刻まれたラウス様の所有印はバッチリと見えてしまう。

 こんな格好で部屋の外に出るのは恥ずかしい。
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