愛より金を選んだ男爵令嬢は人違いで溺愛される
 思えばお義父様とラウス様はお仕事で不在なのは分かるが、なぜか彼女までもが不在だった。

「よりによって行きたくもない付き合いのお茶会に、渋々顔を出した日に!」

 可愛らしいテディベアを抱えている少女が、私の半分ほどの年齢であろうアンジェリカ様がお茶会に嫌々参加するなんて。

 身分が高ければその分しがらみも多いのかもしれない。

 ケーキの食べ方一つで緊張してしまうことがお茶会の悩みだった私とは雲泥の差がある。

「私だって、私だってお義姉様とお茶を楽しみたいのです!」

 私の悩みは違うけれど、怒っている内容は仲間外れにされたことで、その歳にふさわしいとも言える。

 そう思うとプリプリと怒るアンジェリカ様が可愛く見えてくる。
 わずかとなったアンジェリカ様との距離をもっと詰めて、そして彼女の視線と合うようにしゃがむと彼女の手を握った。

「アンジェリカ様、煩わしくなければ私ともお茶会してくださいますか?」

 そう問うと、途端にアンジェリカ様は途端に目を輝かせる。再び力強く抱きしめられたテディベアだが今度はどこか嬉しそうだ。

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