乳吸鬼♀&未来偵察メイド(裏編):ヴァレリの前日譚
第二話+α ダチョウとルントゥ
(1)
ダチョウ牧場に到着したルントゥは、まず卵を回収しにかかる。
こういうときには奇縁や因果を感じる。
なぜなら「ルントゥ」という名前は古代ケチュア語(海の彼方の大陸の古語らしいのだが)とやらで「卵」の意味なのだとか。卵のような輪郭の美人という言い方でもあったのか、王妃だったかお姫様の名前にもなっていたとか(義父で名付け親のクラフトマンの言うことだが信憑性は?)。ちなみに母が言うには「ルン・トゥー」で「二人目のルン」とか「ルン二世」くらいの意味合いともかけているのだとされている。
(2)
ルントゥの次なる仕事は、オスのダチョウどもの世話だった。恐ろしく頭が悪いようで、群れの仲間や番の妻子すらあまり良く覚えていない説があったが、替わりに身体の強さはピカイチ。
なぜかお出迎えに大歓迎の求愛ダンスされてしまう。飼育係の人間に(鳥によくある)誤認識や刷り込みで、メスにそっぽを向く場合がしばしばあり、そのせいで繁殖が上手くいかないケース。
そこで、ルントゥとしては演説と説教もしたくなってくる。相手が鳥で、しかも鳥としてすら頭も悪い方のダチョウに言葉が通じるわけはない。それでも「思いは伝わる」と信じたいのが人情。
「諸君! ダチョウ男児たちよ!」
ルントゥは天に拳を突き上げた。
「君たちは卵も産めないから、しょせん最後は肉になるしかない! しかし男児たる者、最後の戦いで意地を見せなさい! ほら、あっちに女の子たちがいるわよ! どのみち悲恋でも良いから恋してきなさい!」
だがダチョウたちはルントゥに殺到した。
それが目的を誤った恋心だったのか、酷いことを言われて怒ったのかは、誰も知らない。
(3)
その日の午後、ルントゥは羊の毛を黙々とバリカンで刈っていた。追い剥ぎや暴行魔のように丸裸にしていくのが快感と暗い愉悦。
あえて「ダチョウにやられた分をヒツジに復讐してやる」とは言うまい。この羊という動物は自然には毛が抜けないために、人間に散髪されずに放っておかれると毛で膨らんで自重で自滅してしまう悲しい生き物なのだから。
ダチョウ牧場に到着したルントゥは、まず卵を回収しにかかる。
こういうときには奇縁や因果を感じる。
なぜなら「ルントゥ」という名前は古代ケチュア語(海の彼方の大陸の古語らしいのだが)とやらで「卵」の意味なのだとか。卵のような輪郭の美人という言い方でもあったのか、王妃だったかお姫様の名前にもなっていたとか(義父で名付け親のクラフトマンの言うことだが信憑性は?)。ちなみに母が言うには「ルン・トゥー」で「二人目のルン」とか「ルン二世」くらいの意味合いともかけているのだとされている。
(2)
ルントゥの次なる仕事は、オスのダチョウどもの世話だった。恐ろしく頭が悪いようで、群れの仲間や番の妻子すらあまり良く覚えていない説があったが、替わりに身体の強さはピカイチ。
なぜかお出迎えに大歓迎の求愛ダンスされてしまう。飼育係の人間に(鳥によくある)誤認識や刷り込みで、メスにそっぽを向く場合がしばしばあり、そのせいで繁殖が上手くいかないケース。
そこで、ルントゥとしては演説と説教もしたくなってくる。相手が鳥で、しかも鳥としてすら頭も悪い方のダチョウに言葉が通じるわけはない。それでも「思いは伝わる」と信じたいのが人情。
「諸君! ダチョウ男児たちよ!」
ルントゥは天に拳を突き上げた。
「君たちは卵も産めないから、しょせん最後は肉になるしかない! しかし男児たる者、最後の戦いで意地を見せなさい! ほら、あっちに女の子たちがいるわよ! どのみち悲恋でも良いから恋してきなさい!」
だがダチョウたちはルントゥに殺到した。
それが目的を誤った恋心だったのか、酷いことを言われて怒ったのかは、誰も知らない。
(3)
その日の午後、ルントゥは羊の毛を黙々とバリカンで刈っていた。追い剥ぎや暴行魔のように丸裸にしていくのが快感と暗い愉悦。
あえて「ダチョウにやられた分をヒツジに復讐してやる」とは言うまい。この羊という動物は自然には毛が抜けないために、人間に散髪されずに放っておかれると毛で膨らんで自重で自滅してしまう悲しい生き物なのだから。