恋をしない秘書と恋に落ちた御曹司の甘くて危険な攻防戦

プロローグ

「みのりって美人で、隣に連れて歩くにはいいんだけど、真面目すぎておもしろくないんだよな~」

「お前、そんなこと言っていいのか? 贅沢なやつだなぁ」

 たまたま通りかかった教室から、そんな不快な会話が聞こえてきて、思わず足が止まる。

 その話題に出ている“みのり”とは、私――橋爪みのりのことだ。

 そして、私のことをバカにするように友人と笑いながら話しているのは、たった今まで彼氏だと思っていた人……

「それに比べて、美紅ちゃん。小さくて可愛いよな……ほら、守ってやりたくなる」

「あぁ、確かに! 胸もデカくて最高だよな」

「ぷっ、あははっ! やっぱりお前も同じこと思ってるんじゃないか」

 そんな最低な会話が、楽しげな笑い声と一緒に続いていく。モテモテの彼と、真面目でつまらない私。

 告白されたときは夢でも見ているようで、すぐには信じられなかった。何度も自分に問いかけて、ようやく現実だと受け入れたくらいだったのに――
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