恋をしない秘書と恋に落ちた御曹司の甘くて危険な攻防戦
「じゃあ、みのりちゃんはどうするんだ?」

「どうすっかなぁ……美人だし、別れるにはもったいないんだよなぁ~キープ? ほら、あいつらとの賭けもあるし」

「ぷっ……お前最低だな」

 信じられない言葉が、はっきりと耳に届く。

 哀しくて……信じられなくて……いや、信じたくなくて。

 賭けをしていたうえに外見だけだとはっきり告げられて、胸の奥がぎゅっと締めつけられ、涙が今にもこぼれ落ちそうになる。

 それでも、ここにいると気づかれたくなくて、必死に息を殺した。

 これ以上聞いていたら壊れてしまいそうで……

 自分の存在に気づかれないように、私はそっとその場をあとにした。

 それからというもの、メガネで素顔を隠し地味で目立たないようにして、ひっそりと残りの学生生活を過ごした。

 地味な私の姿を見て、あの日「キープ」と言っていた彼は、視線すら合わせなくなる。
 
 いわゆる、自然消滅……

 この出来事をきっかけに、もう二度と恋をしないと心に決めた。そしてイケメンは信用できないと心に刻まれる。

 そんな高校時代の出来事がきっかけで、純粋だった私の生活から色味が消えていった――
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