恋をしない秘書と恋に落ちた御曹司の甘くて危険な攻防戦
訪問当日——
通された社長室で形式的な挨拶を一通り交わすと、田中社長もこちらが単なる挨拶目的ではないことを察している様子だった。
「で? わざわざ突然面会を申し込んできたんだ。何か用があったんじゃないのか?」
その言葉に、むしろ話が早いと感じる。俺は単刀直入に、高橋父娘の件を切り出した。
案の定というべきか、日本モーター精機株式会社の側でも、コネ入社など許しているはずがなかった。ましてや取引関係を盾に圧力をかけるなど、経営者としては到底看過できる行為ではない。
しばし沈黙が落ちたあと、田中社長は勢いよく立ち上がり、そのまま俺へ深く頭を下げた。
謝罪というより、事態の重大さを即座に理解した者の反応だった。
通された社長室で形式的な挨拶を一通り交わすと、田中社長もこちらが単なる挨拶目的ではないことを察している様子だった。
「で? わざわざ突然面会を申し込んできたんだ。何か用があったんじゃないのか?」
その言葉に、むしろ話が早いと感じる。俺は単刀直入に、高橋父娘の件を切り出した。
案の定というべきか、日本モーター精機株式会社の側でも、コネ入社など許しているはずがなかった。ましてや取引関係を盾に圧力をかけるなど、経営者としては到底看過できる行為ではない。
しばし沈黙が落ちたあと、田中社長は勢いよく立ち上がり、そのまま俺へ深く頭を下げた。
謝罪というより、事態の重大さを即座に理解した者の反応だった。