恋をしない秘書と恋に落ちた御曹司の甘くて危険な攻防戦
***
あの男が上司に連れられ立ち去る後ろ姿を見送りながら、これで少しでもみのりの心に残る辛いトラウマが薄れてくれることを願った——
そう、あの男とみのりが再会したことは、俺にとってひとつのチャンスでもあるような気がしていた。
『恋をしない』
そう頑なに心を閉ざしている彼女のトラウマを取り除くことができたなら、今よりももう一歩、彼女に近づける気がしていたのだ。
だから俺は隅田に頼み、奴の経歴を調べるとともに、現在の動向を探るよう指示を出す。
すると週明けになって早々、隅田から報告が入った。
「副社長」
「どうした?」
「先日ご依頼いただいた、TOKITOシステムの橋爪さんの同級生――三上貴明ですが、本日の打ち合わせで当社へ来る予定になっています」
偶然なのか、それとも必然なのか……こんなにも早く再会の機会が訪れるとは思っていなかった。
奴には、まだ俺の正体は知られていないし、みのりがTOKITOの秘書課で働いていることも知られていない。
だが、この状況なら顔を合わせることになっても何ら不思議ではなかった。
「警戒しておいてくれ」
「かしこまりました」
隅田はすぐに頭を下げてどこかに連絡をしている。俺はデスクの上で指を組みながら、近づきつつある再会の気配に静かに目を細めた。
あの男が上司に連れられ立ち去る後ろ姿を見送りながら、これで少しでもみのりの心に残る辛いトラウマが薄れてくれることを願った——
そう、あの男とみのりが再会したことは、俺にとってひとつのチャンスでもあるような気がしていた。
『恋をしない』
そう頑なに心を閉ざしている彼女のトラウマを取り除くことができたなら、今よりももう一歩、彼女に近づける気がしていたのだ。
だから俺は隅田に頼み、奴の経歴を調べるとともに、現在の動向を探るよう指示を出す。
すると週明けになって早々、隅田から報告が入った。
「副社長」
「どうした?」
「先日ご依頼いただいた、TOKITOシステムの橋爪さんの同級生――三上貴明ですが、本日の打ち合わせで当社へ来る予定になっています」
偶然なのか、それとも必然なのか……こんなにも早く再会の機会が訪れるとは思っていなかった。
奴には、まだ俺の正体は知られていないし、みのりがTOKITOの秘書課で働いていることも知られていない。
だが、この状況なら顔を合わせることになっても何ら不思議ではなかった。
「警戒しておいてくれ」
「かしこまりました」
隅田はすぐに頭を下げてどこかに連絡をしている。俺はデスクの上で指を組みながら、近づきつつある再会の気配に静かに目を細めた。