ただいま緊急で婚約破棄を望んでいます!
「……というわけで、今日中に婚約破棄されないとお前は死ぬ」
「え!? え。え。うそ。えー!! え? 本当に? え……えぇぇぇぇぇえええええ?!」
私は目の前に居る黒衣の魔法使いの発言を耳にして、大き過ぎる衝撃を受けていた。
なんなら驚き過ぎて開いた口を押さえて、言葉にならない言葉を繰り返すほかなかった。
……ええ。そうなの。
私は乙女ゲーム『私の推しは王子様』の中に転生した、アンネローゼ・ローゼンクイン。
ついさっき、私は乙女ゲームの悪役令嬢に生まれ変わったんだ! と、自分の顔を鏡に映して前世の記憶を取り戻し、転生者になったのねと自覚して驚いていたところに……公爵令嬢たるアンネローゼの自室へ、この怪しすぎるフードで顔を隠した黒衣の男が現れた!
そうして、悲鳴をあげる前に、私へ今のこの状況を伝えた。
『さっきお前に呪いを掛けたから、婚約者たる王太子クリストファー・ジェデオン殿下から、今日中に婚約破棄されなければ死ぬ』と、ここで宣告したのだ。