待てない、夏!
第4話 ゴールで待つ人
あの頃、
陸先輩は
400メートルと800メートルを専門にする
中距離ランナーだった。
長距離の私たちとも、
土曜日になると
川沿いの土手を
一緒に走っていたの。
10キロだよ?
今じゃ、
お金をもらっても
走りたくない。
でも、
陸先輩の背中を見ながら
走るのは、
辛かったけど
好きだった。
……なんて言うけど、
最初の2キロくらいしか
着いていけなくてね。
気付けば
どんどん離されてた。
それでも、
先輩は必ず
ゴールで待っていてくれた。
「お疲れ」って。
たったそれだけなのに、
すごく嬉しかった。
嬉しくない?
そういうの。
走り終えた私は、
倒れそうなくらい
ハァハァ言っててさ。
でも、
走り終わった先輩は
爽やかなの。
髪もね、
サラッとしてる。
しかも、
地毛なのに少し金色っぽくて。
どういうこと?
って思う。
それを沙菜に言うと、
「はい、はい」って
いつもあしらわれる。
もう一つ
言わせてもらうとね。
他の男子の先輩には
悪いんだけど、
同じジャージなのに
こんなに違う?
って思うくらい、
陸先輩のジャージ姿は
ピカイチだった。
みんなにも
見せたいくらい。
そんな先輩に、
最後の大会の前日、
鉢巻きを渡したの。
つたない刺繍をしてさ。
そしたら、
「ありがとね」って。
きゃー。
あの時の私は、
絶対
顔が真っ赤だったと思う。
そんな鉢巻きを
先輩は
今も取っていてくれた。
なんか、
ちょっとだけ
期待しちゃうのは
まだ早いよね。
陸先輩は
400メートルと800メートルを専門にする
中距離ランナーだった。
長距離の私たちとも、
土曜日になると
川沿いの土手を
一緒に走っていたの。
10キロだよ?
今じゃ、
お金をもらっても
走りたくない。
でも、
陸先輩の背中を見ながら
走るのは、
辛かったけど
好きだった。
……なんて言うけど、
最初の2キロくらいしか
着いていけなくてね。
気付けば
どんどん離されてた。
それでも、
先輩は必ず
ゴールで待っていてくれた。
「お疲れ」って。
たったそれだけなのに、
すごく嬉しかった。
嬉しくない?
そういうの。
走り終えた私は、
倒れそうなくらい
ハァハァ言っててさ。
でも、
走り終わった先輩は
爽やかなの。
髪もね、
サラッとしてる。
しかも、
地毛なのに少し金色っぽくて。
どういうこと?
って思う。
それを沙菜に言うと、
「はい、はい」って
いつもあしらわれる。
もう一つ
言わせてもらうとね。
他の男子の先輩には
悪いんだけど、
同じジャージなのに
こんなに違う?
って思うくらい、
陸先輩のジャージ姿は
ピカイチだった。
みんなにも
見せたいくらい。
そんな先輩に、
最後の大会の前日、
鉢巻きを渡したの。
つたない刺繍をしてさ。
そしたら、
「ありがとね」って。
きゃー。
あの時の私は、
絶対
顔が真っ赤だったと思う。
そんな鉢巻きを
先輩は
今も取っていてくれた。
なんか、
ちょっとだけ
期待しちゃうのは
まだ早いよね。