敏腕CEOと契約結婚したら、攻略不能なほど溺愛されています
「え……出て行くってなに?」
碧人さんの涼しげな瞳が、信じられないと言わんばかりに大きく見開かれた。端正な顔からは余裕が消えていて、動揺しているように見える。
私が出て行く話をするなんて彼はまったく予想していなかったのだろう。真意を探ろうと、私の顔を覗き込んできた。
「だって私たち……期間限定の偽装結婚じゃないですか」
互いを助け合う〝利害一致〟の関係だったけれど、それももう果たせたはずだ。
碧人さんは優しいからここに住まわせてくれているけれど、借金取りに追われる父を持つ私は、京極家にとっても彼にとっても間違いなく足枷でしかない。
彼への愛しさが募るほどに、彼のために別れなければならないという決意は、皮肉にもより強固なものになってしまっていた。
「お父さんのことなら心配いらない。陽咲が安心して暮らせるようにするし、ほかにもなにかあるなら話してほしい」
碧人さんは焦燥を隠せない様子で、私の両肩にそっと手を添えた。
彼の手のひらから伝わる体温と、その必死な表情を目にし、私は痛いほど胸を締めつけられる。
「ひとりで納得して消えようとしないでくれ……」
「父のことだけじゃないです。私との関係を解消しなきゃ、弘花さんと結婚できないじゃないですか」
なんとか声をしぼり出してそう伝えると、彼は目を丸くしたまましばし固まっていた。
「弘花さんの言ったことを真に受けないでくれ」
「でも……」
「俺が好きなのは、陽咲ただひとりだから」
碧人さんの涼しげな瞳が、信じられないと言わんばかりに大きく見開かれた。端正な顔からは余裕が消えていて、動揺しているように見える。
私が出て行く話をするなんて彼はまったく予想していなかったのだろう。真意を探ろうと、私の顔を覗き込んできた。
「だって私たち……期間限定の偽装結婚じゃないですか」
互いを助け合う〝利害一致〟の関係だったけれど、それももう果たせたはずだ。
碧人さんは優しいからここに住まわせてくれているけれど、借金取りに追われる父を持つ私は、京極家にとっても彼にとっても間違いなく足枷でしかない。
彼への愛しさが募るほどに、彼のために別れなければならないという決意は、皮肉にもより強固なものになってしまっていた。
「お父さんのことなら心配いらない。陽咲が安心して暮らせるようにするし、ほかにもなにかあるなら話してほしい」
碧人さんは焦燥を隠せない様子で、私の両肩にそっと手を添えた。
彼の手のひらから伝わる体温と、その必死な表情を目にし、私は痛いほど胸を締めつけられる。
「ひとりで納得して消えようとしないでくれ……」
「父のことだけじゃないです。私との関係を解消しなきゃ、弘花さんと結婚できないじゃないですか」
なんとか声をしぼり出してそう伝えると、彼は目を丸くしたまましばし固まっていた。
「弘花さんの言ったことを真に受けないでくれ」
「でも……」
「俺が好きなのは、陽咲ただひとりだから」