敏腕CEOと契約結婚したら、攻略不能なほど溺愛されています
『私たち、結婚するつもりでいたんだけど、事情があって叶わなくなってしまっただけなのよ。お互いに愛し合う気持ちは変わってないわ』

 レセプションパーティーでの彼女の勝ち誇ったような言葉は、今もしっかりと私の記憶に残っている。

 碧人さんは京極グループの御曹司だから、好きな人と結婚できなかったり、お見合いを無理強いされたり、プライベートに関しては複雑なんだなと勝手に納得してくわしく聞いていなかった。
 あれ以来、弘花さんの言葉を鵜のみにしていたけれど、どうやら真実ではなかったようだ。

「ウソを聞かされていたんだ。篠部社長の娘として、彼女とはビジネスライクな付き合いしかしていない」

 彼の切れ長の瞳には、揺らぎも曇りもなく、誠実さだけを感じた。
 射貫かれていると、私の胸を締めつけていたものが、不思議と消えてなくなっていく。

「今日、彼女が会社を訪問してきたんだけど、これはそのときの会話」

 碧人さんがポケットからスマホを取り出し、音声データを再生した。
 そこには、弘花さんが私をののしったあと、スキャンダルを捏造すると彼を脅すような発言が記録されていた。

「このやり取りのあと、彼女は自分の過ちを認めて、君への謝罪を口にした。直接会わせるのは君の負担になると思ったから、ビデオメッセージとして残すよう伝えたら、さっき送ってきた」
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