敏腕CEOと契約結婚したら、攻略不能なほど溺愛されています
 ◇◇◇

「お疲れ様です」

 午前中に買取店でグッズを売り、十二時前に出勤すると、従業員用ロッカーの前で賢也くんから挨拶をされた。

「賢也くん、お疲れ様。今からお昼休憩?」
「はい。ていうか陽咲さん……今日はなんとなく元気ないですね。クマもできてるし」

 賢也くんの鋭い指摘が入り、思わず視線を背けた。
 彼は常に飄々としているけれど、小さな変化にも気づくくらい、人のことをよく見ている。

「クマあった? 恥ずかしいな」
「寝不足ですか?」
「うん。……夜中までゲーム。セブエリがおもしろすぎて」
「……ゲームね」

 昨夜の出来事を正直に話せなくて、とっさにウソをついてしまった。
 賢也くんは自分のロッカーから荷物を取り出しながらも、納得していないようで、こちらの様子をうかがっている。

「で、なんなんです? その荷物は」
「ああ、これ……」

 足元に置いていたボストンバッグに自然と視線が集まった。
 たしかに、こんなに大きな荷物を持って出勤するのは不自然だ。賢也くんが首をかしげるのも無理はない。

「えっと……友達の家に、泊まりに行くの」

 これはウソではないなと思いながら、隠すようにボストンバッグをロッカーへ押し込んだ。

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