敏腕CEOと契約結婚したら、攻略不能なほど溺愛されています
「ここにあるものも全部、自由に使っていいから」
「え、でも、ここは碧人さんのこだわりの部屋じゃないですか」
「陽咲は特別」

 そんなふうに即答されて、うれしいと思う自分がいた。私だけが彼の〝秘密基地〟に入っていいのだと、許されたのだから。

「そうだ、ふたりで一緒にプレイできるよう、今度セッティングしよう」

 彼がコントローラーに触れながら、楽しそうな笑みを浮かべている。
 ゲームという共通の趣味がある私たちなら、うまくやっていけるかもしれない。そんなふうに前向きな気持ちになれた。


 翌日の月曜日。仕事を終えて帰ってきたら、部屋の中は無人で真っ暗だった。私のほうが早く帰宅したらしい。

【今帰りました】

 碧人さんに短いメッセージを送ると、すぐに既読がついて、【俺も仕事終わったから、今から帰る】と返信がきた。

「晩御飯、作ろうかな……」

 ぽつりとひとりごとを漏らし、アイランドキッチンのシンクで手を洗う。
 大型の冷蔵庫をそっと開けると、そこには生活感のなさに反して、厳選された食材が並んでいた。
 とくに目を引いたのは、棚の奥に並んだパックの卵だ。貼ってある金色のシールには〝最高級〟の文字が踊っている。

(これ、一個数百円するやつだ……)
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