敏腕CEOと契約結婚したら、攻略不能なほど溺愛されています
 目を丸くすると、碧人さんはにこりと笑ってうなずいた。

「使い心地いいよ、それと、サウンドにもこだわってるんだ」

 彼が壁を指差すと、そこには音質性能とデザイン性を兼ね備えたスピーカーが埋め込まれていた。
 これだけ揃っていれば、モニターからの視覚とスピーカーからの聴覚で、ゲームの世界に没入できそう。
 ゲーマーにとっての理想の環境が実在していて、見ているうちにいつの間にか私の胸はワクワクと高鳴っていた。

 ぐるりと部屋の中を見回してみる。壁一面の棚には、最新のものから今では手に入らないようなレトロなものまで、ゲームソフトが整然と並んでいた。さらにその隣には、様々な限定フィギュアがずらりと飾ってある。まるで博物館の展示みたいだ。

「この家にもあったんだ……」

 目に留まったのは、セブエリのフィギュアとアクリルスタンド。……借金返済のために、私が売ったのと同じものだった。

「ああ、これ?」
「私も持ってたんです。大好きで、大事にしてて。……でも……手放してしまいました。ごめんなさい」

 暗い顔で言い淀んだことで、どうやら碧人さんは察してくれたようだ。

「謝らなくていい。本当は手放したくなかったんだよな。ありがとう」

 碧人さんの目もとがやわらかく緩む。それは私の〝セブエリを好きな気持ち〟を、ちゃんと理解してくれている微笑みだった。
 自分たちの生み出した作品が、誰かの大切な宝物になっていることに、誇りと感謝の気持ちがあるのだろう。
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